人気ブログランキング | 話題のタグを見る
長良川と円空入定塚
長良川と円空入定塚_b0025850_058968.jpg

長良川鉄道 関駅からタクシーで10分ほど。
夕焼けに染まりはじめた 長良川のほとりに着きました。
この辺りは、「鵜飼い」を観ることができる場所として知られていますが
今回はそれを観に来たわけではありません。

長良川と円空入定塚_b0025850_113097.jpg

長良川に架かる赤い鉄橋は、鮎之瀬橋。
橋を渡ってまもなくにある「関市円空館」を訪れるのが目的でした。
円空(えんくう)さんは、江戸時代はじめに美濃国で生まれ 全国各地を
歩きながら、生涯に12万体もの仏像を彫ったとも伝えられる僧侶。


長良川と円空入定塚_b0025850_192758.jpg


円空入定塚

記念館を訪れる前に立ち寄ったのは
橋のほとりにある 入定塚。
入定(にゅうじょう)とは、土の中に
石室を掘り その中で断食と読経をして
即身仏となる厳しい修行のこと。
竹筒の空気穴だけが、外に通じます。

円空さんは、長良川のほとりを入定の地と
定めて 64年の生涯を終えられたのです。
墓地は、近くの別の場所にあります。



長良川と円空入定塚_b0025850_1172812.jpg

その入定塚は、長良川に面して立てられていて 川の穏やかな流れは
とても美しいのですが、同時に修行の厳しさを思わずにはいられません。
そんな事を考えながら、ファインダーを覗くと「あっ!」と驚くことが・・。

対岸の大きな岩肌の一部が、まるで円空さんの彫られた仏像のお顔の
ように見えるのです。素朴で荒削りな、温かさのあるお顔が見えませんか・・?


それは気のせいだとしても、竹筒の空気穴から 今もちりんちりんと
円空さんの鈴の音が 聞こえてくるような気がします。

というのも、私が円空さんを知ったのは、まだ子どもの頃。
テレビ(映画?)で円空さんの再現ドラマを観て 生きながら土の中に入り
数日で仏になるという最期にとても衝撃を受けたから・・。
その時は、ただ怖くて こうしてこの地を訪れるとは思っていませんでした。
by sumi2211 | 2008-03-20 01:40 | Travel -10 Japan 08 | Trackback | Comments(2)
Commented by afoto at 2008-03-23 22:46
子供の頃にそんなお話を知ったら、衝撃、トラウマになりそうですね。
しかも、自らそんな道を選んだ円空さん・・・凄いですねぇ。
私も岩肌に何か見えるような気がします。
それにしても、とてもスピリチュアルな空気が流れてそうですね。
私もここのところ、仏像系にすごく惹かれてて、行ってみたいお寺が
一杯あります。昨日も近々五百羅漢さんを見に行こうかなぁ・・・
なんて思ってたところでした。
sumiさんの行かれた円空館、私もいつか行ってみたいなぁ・・・。


Commented by sumi2211 at 2008-03-24 00:07
afotoさん☆
ドラマだったのか映画だったのか気になって調べてみたら
80年代のNHKのテレビドラマで、主演は丹波哲郎さんでした。
ひたすら山の中で仏像を彫り、村人を助けて歩く姿から
面白い人がいたんだなぁ・・と思って見ていたような記憶が。
竹林の中の墓所は、まさに「あの世」の空気が流れているような
すごい場所だなと思いました。鈍感なのでよく分かりませんが。
岐阜には、円空関連の資料館が他にもいくつかあるんですよ。


<< 国指定史跡 弥勒寺遺跡群を歩く。 関の弁慶庵を訪ねて >>